勝って結構、負けて結構。

「勝って結構、負けて結構。」大好きな岡本太郎さんの言葉です。クローゼットにこの言葉貼ってるの。負けることのほうが多いかもしれない。こんばんは、ヒカリです。金曜日の夜だ。嬉しいです。

 

「二重生活」という映画をみました。結構前に途中まではみたことがあって、続きが気になって今ずっと原作を読んでいるんですけど、金曜日の晩ということもありまた映画を借りてきたんです。ネタバレが嫌な人、この先は読まないで。

 

主人公の珠(たま)ちゃんは、哲学を学ぶ大学院生。論文の題材としてに教授に「理由なき尾行」を勧められる。対象者を尾行し、対象者の生活を記録する、ただそれだけ。文学的・哲学的尾行。対象者は珠ちゃんの家の前に住む男性。大きな家で奥さんと子供と暮らす。出版社で働く人。ごく普通の、少し裕福で幸せな家庭。のはずなんだけど、尾行を続けるうちに、対象者の男性には不倫相手がいることが発覚し..とまあ、こんな感じで珠ちゃんは尾行に心を奪われ、恋人のこともほったらかしになり、そして少しずついろんなものが崩れていく。

心の奥のからっぽに哲学的尾行がすっぽり。尾行で満たされる。尾行に魅せられていく。ちょっぴり悲しくなりました。

私も空っぽな人間だから、常に何かで空っぽを埋めたくて、もがいてもがいて生きてます。「あ、これだ。」と最初は思っても、なかなかしっくりこないんです。私も哲学的尾行でしか空洞を埋められないのかしら。なんて、ね。

つらいことや理不尽なことがたくさんあるけど、部分部分をみるんじゃなくて、とーたるが幸せだったらそれでいいと思うんです。でもただ待ってるだけじゃ幸せなんて来ないし、それなりに努力をしないといけない。そんなことわかってる。「今が一番幸せ」と死ぬまで毎日思えたらいいな。